Wed - October 20, 2004

大沢在昌「アルバイト探偵」シリーズ


このシリーズ自体は前から知ってはいたのですが、手に取ったキッカケは駅の売店に「最初の1冊め」が置いてあったから。それで読み始めたらもう面白くて。一気に文庫化されているシリーズ全作読みました。

講談社文庫版で読みました。講談社文庫って、巻末の折り返しのところに著作リストが載ってるじゃないですか。
アルバイト探偵(アイ)
アルバイト探偵調毒師を捜せ
不思議の国のアルバイト探偵
アルバイト探偵拷問遊園地
女王陛下のアルバイト探偵

こんな風に。だからこの順で買って読んでたですよ。
…順番が違う(号泣)。「女王陛下のアルバイト探偵」は3作目、初の長編。変な順番になっちゃったので、「不思議の国の〜」「拷問遊園地」で覚えのないエピソードと、若干ネタバレが(涙)。

なので、これから読む方は以下の順番がよろしいかと。
アルバイト探偵(アイ)
アルバイト探偵調毒師を捜せ
女王陛下のアルバイト探偵
不思議の国のアルバイト探偵
アルバイト探偵拷問遊園地
帰ってきたアルバイト探偵(未文庫化)

なんだかパっとしない私立探偵と、高校生の息子リュウくん。舞い込む事件に隠された謎…よりも、どうも父親の方が謎が多いような?(笑 書かれた年代が10年ちょっと前なので描かれている流行やセンスは「懐かしい〜」て感じがしますが、「痛快コメディーアクション」と銘打っているのは伊達じゃない。登場人物はすべて軽みを持っているのに、大沢在昌作品だけあって、キチンとハードボイルドしている。これがまたカッコイイ。飄々と巻き込まれた事件を乗り越えて来たのと、大変な事になっている「拷問遊園地」の対比。そしてその後の復活と、かける言葉の格好良さったら!男の生き様だ。「帰ってきた〜」の文庫化は待てません。今読んでる(移動中用の)本を読み終わったら、新書コーナーへ行かなければ。

で、ここでふと不安になった。貪るように読んだ経験は京極夏彦作品を読むはるか前にもあって、有名作家A氏の小説200冊くらい読んだんだけどあまりにも読後に何も残らないのでまるごと処分(1作品だけ、扱ってるテーマが面白いのがあったのでそれだけ残したけど)。…純粋エンターテイメントをこういう読み方して、またA作品の二の舞になったらどうしよう?

でももう少し考えて安心。A作品は見事に何も残らないけれど、大沢作品はすべて男の人生哲学として心に響くから。これからも安心して読んでいこう。

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