Thu - December 29, 2005

ひぐらしのなく頃に(皆殺し編発売直前)


話題の同人ノベルゲーム「ひぐらしのなく頃に」、今年はblogをほとんど書けてないためにあまり触れてませんでしたが、「解」発売直前からプレイしています。そして純粋に推理が楽しめるのは今夜が最後…!駆け込み書き込み。

…と言っても、ウチのサイトに来る方の何割かは確実に知らないと思うので、ここで改めて紹介を。

「ひぐらしのなく頃に」は、竜騎士07氏主催のサークル「07th Expansion」が制作/販売している、選択肢のない同人ノベルゲーム。エロ要素はなし(これが嬉しい!)。Windows用ではありますが、一部制限がありつつもNScripter再生エンジンを使用する事でMacintosh他でもプレイは可能です。選択肢がないと言いながら、複数の編の食い違いや視点の違い等を重ね合わせて初めて推測が可能となる事象や謎が数多く存在するため、順にプレイして推理を行う、というこれまでにないスタイルのソフトです。同人でありながらも累計10万本を超える(今年秋の読売新聞記事より)販売数を記録し、ドラマCDコンシューマ移植ゲーム化決定、コミック連載(ガンガン系のパワードWINGFantasyの三誌で連載中の初期三編は単行本1巻が発売済み/コミックのみの鬼曝し編はコンプエースで連載中)、TVアニメ化決定、と大変な勢いで展開されていってます。

オイラは正直Mac好きで、マシン組んだのはGigaStudioのためだけのつもりだったんですが、マルチブートにしといて、そしてそれなりのスペックで組んだ甲斐があった、本当に良かった!と痛感しているソフトです。

オフィシャルサイトから引用を交えつつご紹介。


ひぐらしのく頃に

昭和58年初夏。
例年よりも暑さの訪れの早い今年の6月は、
  昼にはセミの、夕暮れにはひぐらしの合唱を楽しませてくれた。  

××県鹿骨市。県境にある寒村、雛見沢村。
人口2千に満たないこの村で。それは毎年起こる。


雛見沢村連続怪死事件(1979年〜1983年)


毎年6月の決まった日に、1人が死に、1人が消える怪奇。
巨大ダム計画を巡る闘争から紡がれる死の連鎖。
昭和中期に隠蔽された怪事件が、蘇る。
陰謀か。偶然か。それとも祟りか。

いるはずの人間が、いない。
いないはずの人間が、いる。

昨夜出会った人間が、生きていない。
そして今いる人間が、生きていない。

惨劇は不可避か。屈する他ないのか。
でも屈するな。

君にしか、立ち向かえない。


この舞台を主人公「前原圭一」となって、まったく選択分岐の存在しない各編のノベル部分とTIpsという補足情報を読み進める事で謎を吟味し、照らし合わせ、公式BBSやサイトでの見解を考察し、某巨大掲示板で骨までしゃぶり尽くしたりしつつ、真相を探るサウンドノベル。
出題編:
・鬼隠し編 〜オープニング〜(体験版として全編ダウンロードプレイ可能)
・綿流し編 〜最多の可能性〜
・祟殺し編 〜最短のシナリオ〜
・暇潰し編 〜最後の謎をあなたに〜

解答編:
・目明し編 〜最愛の殺人鬼〜
・罪滅し編 〜最初の過ちをどうか〜
・皆殺し編 (2005/12/30発売)
・祭囃し編 (2006年夏コミで発売予定)

関連書籍(二次創作等含まず):
ひぐらしのなく頃に 特別編 雛見沢村連続怪死事件 私的捜査ファイル(仮)
ひぐらしのなく頃に ビジュアルファンブック
・コミカライズ各編

もともと本読みなもんで、NScripterで演出をコントロールされるPCベースのサウンドノベルは文字表示が遅すぎてイラつく(意味的に軽そうな部分を読み飛ばすとか、ページをめくる手がもどかしいとか…PS2のデモンベインはそれで挫折中断中)上に、ギャルゲー耐性がまったくないので、鬼隠し最初の部活シーンは苦行に近いものがありました…が、数時間それを耐えて(耐えられなかったら部活シーンを飛ばしてしまってもそれほど支障はない)、祭りの数日前からの不穏な空気で主人公を取り巻く空気が一変。祭りの晩からは先送りのクリックももどかしく、終盤あたりでは(ホラー映画をツッコミ入れて笑いながら観てるようなオイラなのに!)怖くて夜一人でプレイできない、でも先は気になって仕方がない、あぁん!…という有様に。

一癖ある(それで取っ付けない人もいるかも知れない)キャラ絵は「これでなくっちゃ駄目だ!」と思うまでになり、鬱陶しい文字送りも「このタイミングでコントロールされるからこそ面白いんだ!」と感じ、音楽のマッチング(出題編は著作権フリー音楽から探して使用している模様)に背筋を凍らせ、あれよあれよと言う間にすさまじいハマり方。

オイラはプレイしたタイミングも恵まれてて、体験版をプレイしたのはPC組んだ直後…つまり解答編の第一弾「目明し編」が発売される少し前。先が気になるモードが覚めない内に「目明し編」がプレイできて、後はもっと前からプレイしてきてた方々と同様、コミケシーズンが待ち遠しい、という状況(会場に行った事は一度もないんだけど)。

そ し て 明 日 発 売 さ れ る 「 皆 殺 し 編 」 で ( 動 機 以 外 の ) 事 実 は 全 て 明 か さ れ る と の 公 式 発 言。

考察をするには最後のチャンスの晩な訳ですよ。なので、ネタバレ回避で文字色だけ変えて、以下若干の考察(残った謎は2ch本スレ148のテンプレより)。とらのあな通販なので到着は12/31。年末年始は実家に帰らなきゃだし、1月前半は家でも少々忙しいので、プレイできるのはいつになるやら…そして「皆殺し編」を読み終えた後に検証して、どれだけトンチキな事を書いてるか(笑
全編共通
・各編における富竹と鷹野の死亡(?)事件
→富竹の死因が例の注射と考えると、手段はともかく動機が不明瞭に。まだ想像しやすいのが、実行したのは梨花ちゃまではなく、三四(何故同じ注射を使えるのか、という理由は置いとくとして)説。我々が三四として知っている人物は別人で富竹殺しの実行犯、本来の三四が焼死体として発見された。目撃証言と推定死亡時間のズレは当初のものがどちらも正しくて、ありえないズレから検視結果が間違いだったとされた。動機はまったくわかんない…。
 入江医師と三四がグルで関わっていて二人とも殺害、の方がアリの線なのかなぁ?>私的捜査ファイルのFredericaの三つ目の詩(姫さまがお休みの間に…のやつ)は「生きたまま串刺し&火炙り」が三四の替え玉、「餓えて気が触れて」が悟史、「首を刎ねられ」は富竹、姫さまは入江医師を指しているとか?

・圭一、詩音の後をついてくるオヤシロさま?の足音
→幻聴に一票。ただし、二人に共通する幻聴ってのは単なる強迫観念とは考えにくいので、入江医師の投与した薬によるもの。

・3年目までの連続(?)殺人事件
→一年目の発端は単なる喧嘩、まだ発見されない腕を持って失踪した工事関係者は鬼ケ淵に誤って転落。
 ダム工事推進が原因の北条家への迫害で追いつめられた沙都子が両親に詰め寄った結果、二年目は事故が発生(ここまでの日付の一致は偶然)。
 二年目の事件で「祟り」とできそうだと考えた誘拐事件実行グループが、残る邪魔な古手家神主に投薬して暗殺(←ここでも入江医師が関わってくる)、妻は殺害。遺書等は偽装。これが三年目の事件。

・悟史の失踪、熊のぬいぐるみの行方
 四年目の事件。叔母の殺害犯は悟史ではなく、実行グループ。言動のIQの低さから叔母がグループの一員だとは考えにくいけれど、何らかの関係があり、その関係の悪化→ストレスによる虐待のエスカレート。悟史と叔母のストレス激化が比較的近いタイミングで、いよいよグループと叔母の関係決裂で殺害される。日付の一致はグループの意図的なもの。  それを知らずに熊のぬいぐるみを買って帰って来た悟史を園崎家(葛西が詩音に黙って)が保護。翌年、露天(当然園崎家が管理しているはず)に出ていて富竹と圭一のコンビネーションで取った熊のぬいぐるみが、悟史が前年に買ったもの。

鬼隠し編
・レナの斧持ち歩き(=圭一に「凶器を持ち歩くのは危ない」と伝えようとした?)
→凶器を…の考え方だと、斧とバットじゃ危険度が高すぎるかなぁ、と。コミック版を読んで思ったのが、ゴミの山で圭一に言われた「斧か何か」からの連結で、罪編での圭一のように、何とか元に戻したいと思った結果。正直なところ、キャラ付けの理由の方が大きいと思う。

・白いワゴン車の存在。(=圭一を捕まえようとした勢力?)
→罪編で描写された通り、不案内な造園業者の車。圭一に肉体的ダメージがない事からぶつかってはいないし、特定の勢力のものだと考えるには追跡があっさりしすぎている。

・TIPSでの魅音とレナの会話
→園崎家の立場を考えると富竹事件の事を知っているのはおかしくないが、それを学校で話すというのは不用意すぎに感じる。話しているのは富竹と三四の事だけれど、S号指定のために「殺害と失踪」を事実として話しているのではなく、不安を感じさせる噂、として。

・監督が連れて来た4〜5人の男達
→圭一の精神状態が危険だと連絡された入江医師(=監督)が連れて来たスタッフ。表向きは医療活動に見えるが、入江医師黒幕説は今や濃厚になっているので、そのスタッフが医療目的だとしても、入江は保護した後の殺害なり何なりを考えていたと思う。

・時計の裏のメモとマジック(圭一視点での注射器)がなくなってる件
→両親から「時計の裏を…」の証言を聞いた大石による隠匿…が一番濃厚かねぇ。存在を知っているのは両親だけで、両親には隠匿の動機がなくて、怪しい入江には存在を知る術がなかった、という消去法によるけれど。

綿流し(目明し)編
・祭具殿での“音”
→全編共通の考察に書いた通り、入江医師の投薬によるもの。プラス、圭一は集中するとまわりの音が聞こえにくくなり、詩音は聴覚過敏になる、という設定(ソースどこだか忘れた)。

祟殺し編
・雛見沢大災害
→劇中で災害が起こったと語られた編では、凶器なりバイクなり、何らかの金属を鬼ケ淵に沈めている。毒性を持った気体を溶存していた淵に対してこれがトリガーとなって、火山性ガスが発生。火山性ガスの発生による大量死は実例あり。
http://www013.upp.so-net.ne.jp/balneology-res/q22kzngas.htm

・大災害で圭一が生き残れた件
→誰かに保護された…と考えると動機が一番濃厚なのは梨花ちゃまだけど、もうその時点で死んでるからなぁ…組織力、悟史という前例から、園崎家が保護した(葛西が属している行動単位が可能性高いかな?)

・綿流し祭り当日の鷹野の行動
→替え玉死体を用意してから雛見沢に戻り行動を目撃される。祭りの間に祭具殿侵入後、入江とともに富竹殺害、失踪(生存してるとは思う…失踪後に悟史と合流してた、みたいな話だと嫌だなぁ)。

・入江の死亡
→Fredericaの三つ目の詩の姫が入江、大臣の一人が梨花ちゃま。指摘された事で入江が梨花を殺害、ただし話された内容で他の手段がないと考えた入江が自殺。

・大石の失踪
→誘拐実行グループによる監禁?でも祟編の後日に生存してるし何も知らなそうだし…熊ちゃんにしても大石にしても、この警察メンバーの失踪についてはどうやっても推測できんなぁ…ナンバー照会していた車は例の白ワゴンだとは思うけど…造園業者のワゴンだと推測してはいるけど、実はそれを隠れ蓑にした誘拐実行グループなのかなぁ?(鬼編の圭一に対しては危害を加える謂れはないけれど…という考え。)

・沙都子の家に“居た”鉄平
→圭一は鉄平を*す事に成功している。祭りの夜の圭一の所在は皆が口裏を合わせているだけ。その事実を本人に伝えなかったために圭一は事実の認識がおかしくなった。沙都子が「鉄平がいる」ように見せかけたのは、後のトラップに関係しているかな?

・終盤での沙都子の言動
→動機の推測はできないけれど、多分感情面での理由で圭一だけは生存させたかった。オイラは大災害自然発生説をとってるから、沙都子はどうして災害の発生を知る事ができたのか、災害後は結局どうなったのか…。一番想像がつかないのが、祟編終盤の沙都子の言動。

ほか、個人的な考察:
・鬼「隠し」編で始まって、現在連載中かつ完結予定が一番遅いであろうストーリーの鬼「曝し」編が存在する事から、祭囃し編でもいくつかの謎は残って、鬼曝し編で明かされてエンド、となるんじゃないのかなぁ?

・富竹は自衛隊関係の内偵をしてたのかな…赤坂が富竹2号と言われた事から公安の線も考えられるけど、お互いの存在の認識ができていなかった点から、別組織だと思う。そして赤坂が公安内偵である以上は…。

・喉を掻きむしって死亡、というのも「現象として」謎だけれども、四年目の自首した人間が「スプーンを喉に詰めて死亡」というのも同種の疑念が大きい。…と言うのも、自首的であろうが事故であろうが薬物投与なり催眠なりの他者からの干渉によるものだろうが、実現の術が思い当たらない。そして自首した人間が実行犯というのは、唐突すぎ&語られなさすぎ、という作劇法の根拠から(消極的だけど)考えにくすぎる。

・鬼隠し編で圭一が雛見沢にいなかった間には、罪編のレナとリナの間の事件はなかったんだろうな(あったら、いくらなんでも圭一をゴミ山に連れて行かないだろ)。

・リサさんは沙都子の母親かなぁ(入江の思い入れの入り方と言い、「サ」の音が入っている点といい)。

・大災害時に死ななかった、しばらく生存していた人物はどうして遅れて死亡したのか?遭難した人物はどこにいて遭難したのか?

・私的捜査ファイルにあった学校の弾痕は罪編での事件の別ケースだと思うけれど…封鎖中の物色の形跡は何?自衛隊による封鎖とは言え、物色したのが自衛隊とは考えにくい…しかし、国家組織が出動警戒している中で「しばらく生存していた人物が物色」する事は可能なのか?

・梨花ちゃまとFredericaの存在、肉体は同じだけど精神は別々、て事にしないとどうにもならんよな。

・悟史は失踪後も実は沙都子と計画を進めてて、雛見沢を壊滅させた(動機はあるからな)とかだったらかなり救いのない話だな…。

萌えという感情が今イチ理解できてなかったオイラですが、綿編の魅音、祟編の沙都子(特に圭一が沙都子のために…の行動を決意した辺り)では、本当に感情移入しまくり。キッツイ話だけど、プレイを通して「もしかして、これが『萌え』という感情なのか!?」と納得行った気もしますよ。

枕元にコミック版を置いといたら奥様(非オタ)も読んでいました。まだあんまり怖がっておりませんが、Tipsがないとどうなんだろね…コミックの方が判りやすいのは事実ですが。

ああ、いろいろまだまだ書きたい事はあるのに、まとめて書いたばっかりに文はまとまらないはとっ散らかってるわ…でもプレイしている間はプレイする時間の捻出だけで大変だったので、こんな形になっちゃいましたよ。

何にせよ、罪編も普通に楽しめた(いろいろ言及されてるType Moon作品はまったくプレイしていないし、最後の例のシーンもちょっと長いかな、と思う程度だったし、二次創作はまったく手を出していないから)ので、純粋に皆殺しの到着が楽しみだー!!早く皆殺ししたいなー<誤解を招き過ぎな発言。

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