Wed - April 21, 2004

ウルトラQ dark fantasy/第3話「あなた誰ですか?」


「何かが少しずつ違うんです」…現実との微妙な差異が重なって行く、というパターンの恐怖。笑いと恐怖は近い、というのは微妙な差異が肝になるのが一緒、と。ナレーションにかぶる音楽に入っているFlexatone…これポイント。

床屋のシーンを見て、モンティパイソンのランバージャックソングのスケッチを思い出した…重傷(笑

死んだはずの友人が自分の床屋に客としてやって来る…でも話してみると、中学時代に留学してたとか。重なって行く自分の記憶と現実とのギャップ。他の記憶は会話が噛み合ってるのに…何故だろう。翌日、別の同級生と話すと、やはり死んだはず。同級生の女の子がやっている花屋でその話をしていると、帰って来た女の子の娘…中学時代にそっくりだなぁ、と。

蘇る昔の記憶。モノスゴイ死に様だったらしい。亡くなったのは他の同級生じゃないか?と思っても、そんなはずはないと言われる始末…卒業アルバムを見てみると、その友人はちゃんと写ってる。他にいなくなってる同級生もいない。じゃぁ死んだのは誰だ?自分のまわりだけが異質な空間と記憶になってる、てのは怖いよな。…実は亡くなったのは…!!
このシーンのカット割と音楽のマッチング、すごいな。いまいる世界に疑問を感じて、振り返ってブレたところがストップモーションになってCM入り。ひゃ〜、演出怖いわ。

…avexの商品、最近はオタク心をくすぐるのが多いな(笑 ←CMの話

Bパート。奥さんを問いつめる、記憶が確かな事を確認する…けれど、じゃぁなんで奥さんはその話に相づちを打てるんだ?部屋の反対側にいつの間にかいる白衣の研究者。窓の外にいるエンクミとボンクラ記者。切り替わったカットが意味する物は…あぁ、クトゥルー神話の銀色の筒を思い出しますよ。

CPUだけがあってI/Oがない状態というのはどういう世界なのかな…二転三転する世界認識。見ている気配を感じるエンクミ。朗読を続ける研究員。…フェードインしてくるアラーム。跳ね起きる主人公。知っている世界を確認して安心する…朝食の会話は先ほどまでの世界では望んでいた展開。夢の内容と関連づけて仕事の具合を心配する奥さん。最初とは裏返った関係の、平凡な世界。

…うっすらと聴こえる声…

何が現実なのか、どの世界を見ているのか…ヒビの入った世界。傑作。「あなたは一貫してあなただと言い切れますか?」ミステリで言えば、二転三転するメタ構造。…あぁ!ナレータは佐野史郎だったのか!こういう世界をわかってる人が担当してくれるのは嬉しいね。万歳。

次回第4話「パズルの女」。透明人間、現わる現わる〜。

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