Tue - March 9, 2004

森博嗣「ウェブ日記レプリカの使途」


森博嗣氏のサイト「森博嗣の浮遊工作室」で2001年まで書かれていた日記をまとめたシリーズ、全5冊中の第4弾で、2000年の分。途中でドラクエiと「四季〜冬」で中断しましたが、帰りの電車の中で読了。

こないだ髪切りに行ったときに、横書きの体裁が珍しいらしく「何読んでるんですか…洋書?」と聞かれました。
そうか、自分では慣れてるけど、日本語の本でこのレイアウトってのは極めて珍しいんだよな。情報量が多いから、読むには他の文庫の数倍は時間がかかります。

この表紙はハードカヴァーで平積みされてたのを見た覚えがあるんだけど、それまでの日記シリーズをすべて文庫で買っていたのでぐっとこらえて我慢の子、でしたわ。(同様の理由で「迷宮百年の睡魔」も保留中…でもそろそろ我慢できなくなってきた)。当時。それがようやく文庫で読める…一般的な文庫化のペースよりは全然早い(普通は3年だそうです)。

僕は残念ながら機関車と車にはあまり興味がない(まったく、ではないのがミソ。RX-8はカッコイイと思うし自分で運転してみてぇなぁ、とか思うよ…X-MEN2に登場したからでなく、荷物運びなんかの面でも実用性を持ってるスポーツ車だから!)のですけど、それでも、それらの話題がかなりの割合を占めるこの日記は楽しんで読めるのです。多分あらゆる日記の中で一番面白く読めるなぁ…自分的には、だけど。

9/7の日記中盤の「仕事が辛くて愚痴をこぼすタイプより、楽しいと話すタイプ方が会社をやめてしまう率が高い」て話に大きくうなずいてしまったり…あ〜、色んな事が走馬灯のようにぐるぐると…。

この頃はVシリーズ後期の作品を執筆中(森氏の場合、単行本出版されるだいたい1年前に作品を脱稿してる)。オイラが森ミステリィを読み始めたのは、過去の日記から推察するに2002年だから、この日記シリーズは完全に新作として読める。出会ったのが遅かったのは今考えてもくやしいんだけど、この日記のシリーズを新鮮な気持ちで読める、て点だけはメリットかな。

この中で「すべてがFになる」が出版された当時の人物描写に対して挙げられた意見、てのが載ってたんだけど、流行になる前からコンピュータ使ってたタイプの人がまわりにいると、別段違和感も感じないんだけどな…先日友達とメールしてた中で

    > 「F」を出版した時の感想で、世間では人物描写のツッコミが非常に多かったらしいん
    > ですが、読んでる身としては始めて演劇的な大袈裟さのない、リアリティのある人物が
    > 登場してキターーーー!とか思ったんですけどね。

とか書いたら同意されましたしね!(学生ン時にちょっと演劇もしてたクセにこーゆー言い方するかなこの人は)

日記シリーズも残す所あと一冊。楽しみなような寂しいような…他の新しい作品がどんどん出るからいいようなものの、寡作な作家さんだったら耐えられないところ。

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