Sat - August 9, 2003

京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」


もう何年待ってたのかしらん?...えっと、これまでの巻の刊行予定を見ると、ノベルス判「鉄鼠の檻」一二刷にはもう載ってる...て事は、5年!? オイラが京極作品を読み始めたのは4年位前だから...あ〜、実際読み始めても「ホントに出たんだ!?」て現実感が薄かったのもむべなるかな。

カノジョに「3年以上待ってた本がようやく出たから、読み終わるまでは連絡できんくなるよー」と鬼のようなメールを入れて、貪り読んでおりました。書痴。「それって京極夏彦の『陰摩羅鬼の瑕』?」とバレバレだったのは何故だらう(w

1/3位読んだところで「もしかして今回はこーいう話かな?」て構造のアタリがついたのが、ドンピシャリでしたわ。京極作品では初めてよ。でも細部の解釈までは当然できなくて。で、解決してみると、構造が解ったところで、もっと衝撃的な話がいくつも残ってたし、わかったところで面白さは他にも山ほどある訳なんで興味を失うとかそーいう事はまったくなかったんだけども。とにっかく、待ち焦がれてたものを読めたので、まずは満足。
買った本屋さんの平積み台2/3位を占領して、すさまじい山になってたですが、発売から2日ほど経った晩に同じ本屋さんに行ったら、半分位ハケてました。すごい売れ行き。みんな飢えてたのね(w

こないだ実家に帰った時に仏壇の話になって、時期もお盆だし、日本的な風習とかについてちょっと考えてたですよ。で、コレを読んでると、それまではいわゆる「日本的になった仏教」て考えてたものが実はそうではなく、もっと恣意的な変化を遂げたもの、て知らされたのが衝撃的でしたわ。これまでのシリーズでは、量子力学や哲学、密教、心理学と、舞台になっている時代の最新科学や伝統を取り込んでる事が一歩離れた観点から見た意味で「面白い」て感じられてたんだけど、今回のネタは日本人として常識に思っていた事が、実は...みたいに、足元が崩れてく感覚。

あと、MacOSXでのフルDTPによる文字/フォント/ルビetcへのこだわりインタビューなんて事例もあるだけに、なかなか活字ではお目にかかれない文字もいっぱい。パっと見た目もひと味違うしね。最近読んで来た数冊の影響か、この辺は考えて当然の事なのかな、とか思うようになってたり。オイラはこんな雑文か技術的な事しか書かないから読者としてしか関われない分野だけど、自分で文章や詩(詞)を書く人には切実なハナシだと思うので、MacOSXInDesignの組み合わせを考慮するのが良いかと。ヒラギノフォントは本当に綺麗なんで、MacOS9とかWindowsではもうWeb巡りすんのがイヤになります(w

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