Fri - August 15, 2003

愛とか官能とか


...を扱った本を何故か続けて読みました。唐沢俊一(「へぇ」の仕掛人)関係を追っかけただけなんだけど。これもシンクロニシティかしら(w と学会愛のトンデモ本」、唐沢俊一「なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか」。

感情としての「このテーマ」を日記に書くつもりは1ミリもないんですけどね、官能に当たる言葉が「eroticism」の他に「sensuality」てのがある、てのは初発見。近い意味でも別の言葉がどれだけの数があるか(スラング除く)、てのは、その概念がある言語を使用する社会に対して、どれだけの重要度を持っているか、てことを計る意味で興味深いナリ。エスキモー社会では「雪」を表す単語が20以上もあるそうで。一口に「面白い」て言っても「fun」なのか「interesting」(amusing、fascinating、comical...)なのかを敢えて補則して言う事があったり。日本語は色と季節の表現が豊富だ、て言われてますな。

閑話休題。興味深い話題ではあるけれど、本題ではないから。と学会の方は、いつも通りに「ヘンな主張」「ヘンな論旨展開」「ヘンな風習」などなどを笑い飛ばすスタンスで、いつもは「ユダヤの陰謀」「UFOは、異星人はどーちゃらこーちゃら」「xx語の語源は実は日本語だった」の代りに「恋愛で勝利をつかむには」「ナウなユングが言う事にゃ」からストレートな/歪んだシモの話まで、変な話のオンパレード。あー、フロイト派の解釈によるとどーこー、なんて今サラな話がほとんどなかったのはホっとしたですよ(いえ決してフロイトがいかん、て言うんでなく、少し齧っただけだとセクハラ的解釈に利用しやすい、て訳で)。健康マニアを揶揄する言葉で「健康のためなら命もいらぬ」て明言があるけれど、この場合はさしづめ「愛さえあれば命はいらぬ」ですかね。うがった見すぎかしらん(w

こっちが本題。後者のまえがきにイキナリ「怪獣三倍段」て言葉が載ってて仰け反った次第で。なんでも、現在進行形で存在するアニメ/マンガ/ゲームのマニアに比べて、特撮/怪獣マニアは(平成ゴジラはなんかアレだし、平成ガメラの撮影文法はアニメのソレだから厳密には違うし、ライダー/戦隊シリーズはイケメン番組になっちゃってるから)古き良き怪獣番組を反芻し続けるしかない分、同じ年期でも他のマニアに比べて三倍は濃い、て意味でこーいう言葉があるらしい。あたしゃ初耳だったよー。梶原一騎が「カラテ地獄変」の中で言った「剣道三倍段」て言葉は有名だけど、それにしてもこの「怪獣三倍段」にはマイッタ。グゥの音も出ない(@@;

実相寺昭雄開田裕治川崎実の名前はオイラ世代の怪獣好きだったら知名度高いから、その辺りの対談目当てに買ったけど、当時の怪獣デザインの根っこには日本のシュールレアリスムの影響が大きかった、なんてのは、その方面に疎いオイラには初めて納得の行く新発見だし(ぉいぉい)。たびたび話に聞く「ボーグ星人の首が切られてブクブクブク...ていうのがヰタ・セクスアリスだった」なんて意識がオイラにはやっぱりピンと来なくて、怪獣きゃー♪とか、ビルが壊れるー、街が壊れるー♪とか思ってただけのオイラが(心情的に)納得言った文面は、今柊二氏の、スーパーロボットとウルトラマンの共通項、て話くらいで、あとは知識として一緒に反芻する面白さっつーか、左脳で読んでる感じなんだよね。そりゃあ固有名詞が出てくれば「あーあの怪獣、あの怪人」てビジュアルが浮かんで来るものは多いんだけども。やっぱりオイラが怪獣に感じているのは「官能」ではないらしい。

目次を見て「あれー『怪獣王』て本まで出してるのに、なんで唐沢なをきの名前が載ってないんだろう?」とか思ったんだけど、わかった。多分なをき氏も怪獣に感じているのは官能ではないんだ。もっと純粋に怪獣ソノモノが好きなんだ。わーい、一緒一緒♪(w

...とか言いながら「怪獣」て言葉だけに反応して¥2,000近くする本を反射的に買ったオイラはやっぱり「三倍段」からは逃れられないっぽい。ヲタクでごめんなさい。

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