倉知淳のデビュー作（同時に猫丸先輩初登場だった...）が載ってる、という事で買ったこの本。「毎週決まった時間に、本屋で二十枚の五十円玉を両替えする人物の謎」の解答を寄せるアンソロジー。同じテーマでよくもまぁこれだけ多種多様な解答編が寄せられるモンだ、と感心する事しきり。

若竹七海の問題に対して解答編を書く面子の豪華な事。法月綸太郎、依井貴裕、有栖川有栖（江神先輩とアリス他の面々が登場）、笠原卓、阿部陽一、黒崎緑、いしいひさいち（あまり一般には知られてないかもだけど、いしいひさいちはミステリを題材にした単行本がいくつか出てるのだ）に加えて、一般公募作６作。倉知淳の他には、谷英樹、（厚川昌男賞受賞アマチュアマジシャン）、剣持鷹士、と各界の著名人も。どうもミステリとマジックってのはつながってるようです。

すでに作品を読んだ事のある倉知淳、有栖川有栖、黒崎緑作品は安心して読めるとして、剣持鷹士作品が他の作品と完全に世界が違って、非常に面白かったですよ。あぁ、こんな日常的な謎の提示なのに、これだけ違う世界の話もあるんだ、と。