Mon - October 13, 2003

梶尾真治「フランケンシュタインの方程式」


「短編傑作選ドタバタ編」てサブタイトルがついてる位なんで、バカSFと言える短編が目白押し!...とは言え、SFマインドの充実度は読後の満足度に比例しつつアイデアの面白さが掛け算されて抱腹絶倒、一気読破。

ついこの間映画化された「黄泉がえり」の原作者だそうです...全然知らんやった!世に「SFというだけで拒否反応」を示す人がいるように「SFなら観たいけど感動モノだったら観たくない!」って人もいるのでその辺、パブリシティの「感動作至上主義」をなんとかして下さいまし。DVD出たらレンタルか何かで観てみようかなぁ...。あ、この本を手に取った理由は、カバーイラストが唐沢なをきで、「どん底のニッポンに、いまドタバタの神が降臨する!」てオビの文句に惹かれたから。オビに書いてある「黄泉がえり」の文字は冗談抜きで目に入ってなかったし(ぉ

で、SFの定義のひとつに「センス・オブ・ワンダーを具現化するアイデアの面白さを追求」てモノがあると思うんですけど、これは何も真面目クサってなきゃいけない訳でも、戦闘がなきゃいけないわけでもなくて、銀河帝国もパワードスーツも出て来ないけどめっちゃ面白いSFってのは山ほどあるんですな。そう、クトゥルー神話に「妖神グルメ」があるように!(例えがカっ飛びすぎ)

いやホント、あまりに面白くて1日で貪るように読んでしまったのですよ。6作ある中で特に好きなのは、目的地にたどり着くまで酸素が持たない危機的状況をどう乗り越えるか?な表題作「フランケンシュタインの方程式」、宇宙から降って来た、猛烈な病原体による人類絶滅を回避するための手段とは?な「ノストラダムス病原体」、コミュニケーション手段に視覚も聴覚も使わない宇宙人とのコンタクトの顛末は?な「地球はプレイン・ヨーグルト」。

いやね、シリアスっぽい紹介をしてみたのは、この紹介と、読んでみての作品のギャップを少しでも大きくしておいた方がさらに笑えるかなー、と。この作者の他の作品は笑いを追求してる訳じゃないけど、アイデアとしての面白さはうかがえるので、他の本も読んでみようと思うのです。

笑うと言えば、夜中にフジテレビでやってた「退屈貴族」って番組も面白かったな...やっぱフジは深夜枠がいいや(ぇ

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