Wed - December 10, 2003

京極夏彦「後巷説百物語」


「京極堂シリーズ」の丁度裏返しの構造と言える「百物語シリーズ」、これにて完結...か?でも前作も終わるように見えたしねぇ。それより何より、この一冊で京極ワールドのリンクが!あんな所で繋がってくるなんて!

映像版「怪」の中の「赤面ゑびす」の原作となった「赤えいの島」を含めて、従来シリーズのその後を描く...といいうか時代が変わってますね。御維新の後だし。でも語り口が違うだけで話の面白さの質は変わってません。


図にするとこんな関係かな...幽霊シリーズに登場する「御行の又市」の年齢は具体的に書かれてる訳じゃなかったと思うけど、あのエピソードがあった後だからこそあの性格、て考える方がしっくり来るからねぇ。で、これを実写映像にした「怪」の方には、京極堂の先祖(安倍晴明神社ゆかりの陰陽師だからね)が登場するけど、これはまぁファンサービス的なものだからな、とか思ってたのですよ。

そしたら!京極堂シリーズの「xxのx」とか「xxxのx」で見覚えのある名前が登場!しかもエピソード的にもその辺を彷彿とさせるねぇ...とともに、単に舞台だけなのかも知れないけど「xxxxのx」の舞台が...これはせっかく取材した土地だから、て可能性の方が高いんだけどね。

巷説百物語続巷説百物語が一続きとなってモノスゴイ興奮をもたらしてくれたのとは違って、もう一歩引いた所から読める感じかな〜、なんて思ってた所でこの繋がりが発覚した時の衝撃ったら!(気づかない人は気づかないかも、位のものなので、他作品を読んでないと楽しめない、て訳じゃないです...新登場人物も相当多いから)

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