Sun - January 25, 2004

清涼院流水「彩紋家事件 前編 極上マジックサーカス」


コズミックジョーカーカーニバルと、これまでのJDCシリーズ中で「二十世紀最大のL級犯罪」「犯罪革命」と度々言及されていた事件が語られるので超期待。大事件も始まりはそれと分からず、些細なものとしか映らない。

これまで読んで来た作品てのは何人も...どころじゃない、何百人、何千人、何万人と毎月被害者が出る小説だった訳で(笑 正直、一族の3人が続けて、というのはJDCシリーズとしては規模が小さい訳です。でもこれまで読んで来た身として、JDC設立のきっかけとなった超弩級犯罪だ、という事も知識として知ってるのです。そのギャップとはどういうものなのか、と。

でも、前編を読む限りでは、マジックショーの描写や奇術の解説がほとんど。勿論、奇術師の一族に起こった事件らしく、不可解な謎は多く残っているのです...が、やっぱり描写は奇術に関して、と彩紋家と縁者の説明がほとんど。多分後編で事件が爆発的な進行をするんだろうなぁ(ちなみに、この奇術の説明は情熱に満ちていて、これまで深い興味がなくても簡単なマジックは練習してみようかな、て気になるほど...そして奇術に携わる者の心がけ、コレがまた格好良い!)。

後のJDC総代となる鴉城蒼司や螽斯太郎は当然として、後のxxxxxやxxxxxも登場するし、コズミックも読んでいれば、この中の誰かがxxxxのはず、と思うとやはり興味は尽きず。そして舞台となる70年代の空気が、知っているはずの時代なのになんだか新鮮。いつもの(ガチガチの文章読みには抵抗さえあるかもしれない、ある意味では壊れた)文体もナリを潜めているのは、果たして時代性なのか、それともこの中にさえ謎の断片が隠されているのか...?(そもそも、全て記されているマジックサーカスの情景自体がヒントとなる、というのは明確に書かれていますが)。

後編は「平成十六年 如月上旬 堂々上梓」と予告があるのですが...今年って平成十六年だっけ?もしかして1年も待たされるんじゃ?などと見当違いでバカバカしい心配をしましたが、そもそも西暦と元号って二つあるのは紛らわしいのでもう西暦に統一して下さい(涙 書類とか書く時に混乱するんだよぅ。

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