Tue - April 27, 2004

大沢在昌「銀座探偵局」


最近、駅の売店で本を買う事が多いかな…それでも作者で選んでいるから、外れをつかむ事はないけどね。そして「東京騎士団」とどっちにしようかな、と悩んで先に手に取ったのは短編五作を収録したこちらの作品。

大沢作品の舞台と言えば新宿か六本木、て印象があったのですけどね(まだ沢山読んでます、とは言えないからかな…)、この作品の舞台は銀座。エッセイなんかでは「銀座でベンツ!」て発言があったりするから、作者的には馴染みの深い土地だと思うんです。が、こちとら銀座と言えば「YAMAHA 銀座店」「山野楽器 銀座店」位しか縁がないので、土地勘の全くない田舎者状態…でも平気、面白く読めますよ。

映画主体のミニコミ誌の編集長をしている主人公と、ひょんな事で再開した級友「ムウ」(手塚治虫の方を思い出しちゃったよ…!)。巨大ホテルチェーンの道楽息子であるムウは、アメリカから帰るなり「探偵になる」と言い出し、主人公を巻き込んで探偵局を開業…するなり、事件に巻き込まれる日々。広域ヤクザ団体の頭の未亡人(老婆)と知り合ったり、銃撃が始まったり、不思議な新興宗教との関わり合い、密輸とか、挙げ句の果てに第五話ではあんな生物まで…!

会話や行動原理は(誤解を恐れずに言うならば)男なればこその思考でしょうね…よき家庭人はあぁいう行動には出ないものですよ。そしてフタリで一緒に楽しんだ事が、嫌がる主人公をして深みにはめる羽目に。ストーリーの進展も面白いし、会話も状況も面白い。展開があれよあれよと進んでいくので決して内容は薄くない…むしろ濃いくらいなのに、グイグイ引っ張られて読んでしまいますよ。感覚は「らんぼう」に近いかなぁ。この路線を調べて、集中的に読みたいと思ったのです。

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