Thu - June 10, 2004

竹本健治「将棋殺人事件」


囲碁殺人事件」に続くゲームシリーズ第二弾。オイラはまったくルールがわかってない囲碁と違って、将棋は駒の動かし方位は知ってるので、ワクワクして読みました。そしてまずミステリ的でない箇所でビックリ。

「将棋」って言うから、てっきり普通に言われる、所謂「指将棋」だと思ってたんですけど、題材になっているのは「詰将棋」の方でした…この世界は正直まったく知りません。あぁ、また本題と違う所で眩惑されるのはオイラはホントにヌルいなぁ…と思っていましたが!

竹本氏の筆力と棋力の賜物でしょう、知らなかった世界にとにかく引き込まれるのです。詰将棋のレベルの高さ、歴史、奥深さ、様々な魅力に取り憑かれたようにむさぼり読んでしまいましたよ。特に作中で挙げられていた様々な棋譜、初心者から読んでも理解を深められる入門的な本があったら即座に買って読み始めたいと思う位に。

そしてその詰将棋的な構造は全体を支配しており、最初は何が何だかわからない状況に置かれているのに、読み進んで行くとある所で急に色んな事が繋がって…え、こんな事まで!?という虚をつかれた繋がり方。京極作品のような「細かい謎が段々と集約して行って…」というタイプでなく、謎と意識さえしていない事象がつながっていくのです。コレが面白いのなんのって!

来月には三部作最後の「トランプ殺人事件」の新しい文庫版が発売されますが、「将棋」を月初めに読んでしまったがために、続きがすでに待ち切れませんよ!

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