Sat - February 21, 2004

荒川弘「鋼の錬金術師」1〜6巻


TVアニメが始まってしばらくは興味なかったんだけど、偶然観た時、想像以上に錬金術がキチンと描かれている点と、土曜の夕方に放送していいのか?なハードな描写で評価が急上昇。何度か躊躇ったんだけど、ついに一気買い。

で、TVで観るようになったのは途中から。しかし今でもたまに見落としてます。ダメダメです。
初めて観た時に「うっわ、土曜の夕方にこんな血ィがどぼどぼ出て(スカーの登場する回だった)、ネタが錬金術で、ていいんかいな!?」と思ってしまうほどでいきなり気に入ってしまったのですけど。前から話には聞いてたんですけど、掲載誌が対象年齢の割と低めな「ガンガン」だからと言って、見くびってました。「ハーメルンのバイオリン弾き」単行本全巻と劇場版DVDとゲーム持ってるクセに。正直スマンカッタ。
ワタクシ、キャラ萌えがまったくといって良い程できない人間なので、人気あるのもキャラ人気がほとんどだと思ってたんですよぅ!(ごく少数なんだろうけど、こっちの勝手な勘違いでも「キャラ人気で売れている気配」が少し匂うだけで背を向けてしまう顧客候補もいるのです…今回は読めただけでも運が良かった。)

錬金術の描き方が良いです。錬金術ってなぁ、当時の最新科学だったワケよ!まずそこにロマンがあるんだってば。近年の(日本製)ファンタジーがバックグラウンドも無視して、魔法を「単なる便利なガジェット」としてしまったがために、昨今のファンタジーに背を向けてしまった人も多いとは思いますが(俺だけ?)。そもそも錬金術はそういう構造にできない科学(柳の下にドジョウがたくさん集まってくると、そうとばかりも言えないんだろうけど)。

錬金術の「等価交換」が演出的な山場にもストーリー(ちゅか、キャラの行動)の足枷にもなる、背反する位置づけ。手を合わせて術を発動させる事の意味。これの解説を読んだ時にはホントにシビれましたよ。
…えっと、いずれホムンクルスの「あのエグイ作り方」も出て来るのかしらん?錬金術といえば藤田和日郎の「からくりサーカス」とゲーテの「ファウスト」。オイラは最初に手塚治虫の作品ネオ・ファウストも)を読んで、それからゲーテの読み難い文章を読んだのですけれど。その辺でおなじみの錬金術アイテムも豊富に登場してます。

これがもっと押せ押せでダークな話になると「ベルセルク」かな、て気配も少〜しだけあるんだけど、さすが比較的短期間の連載で漫画賞を取って1000万部近く売れてるだけの事はあって、少年マンガとして非常に興奮させるストーリーになっております(ベルセルクの方は青年マンガなだけあって、もっと暗黒面にスポットを当ててるしな)。
泣き所も笑い所もいっぱい。最初は遠ざけてた理由のひとつなクセに、読み始めるとキャラクターの魅力も存在感もありまくり。さらに上記のように考証が(比較的)シッカリしている。あー面白い(ベタボメ)。

今月出る予定の7巻がこんなに待ち遠しいなんて!新刊をこれほど待ち遠しく思うのは久々なのか新鮮なのか初めてなのか。自分の中では例えようがない位の高評価。

#余談:錬金術って言えばさぁ、オーディオ編集ソフトのAlchemy、アレ、アップデートせんのかね…。


3/09追記。
会社に1、2巻を持ってってみました。読んだのは3人。2人は見事にハマり、もう1人は1巻で読むのを止めて「自分で買う」まで言いましたよ。20第前半〜30間近のひとたちにも大評判。

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